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海外旅行や趣味、日々の生活での体験を気ままに綴るブログです。 時にはお役立ち情報を織り交ぜられればと思います。気楽にご覧頂ければ幸いです。

指の震えが止まりません!

ピアノ教室で「大人のためのピアノ発表会」が毎年開催されています。

15年ほど前に始めて参加した時のはなしです。

 

ステージの袖で指が震え出しました

 

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「G線上のアリア」を弾きます。ちょっとだけ気の利いた編曲ですがやさしい曲ですし、暗譜も完璧、練習もしました。少しも心配なところは無い仕上がりで臨めるはずでした。

仕事でのプレゼンなどで多くの人の前で何かをする、というシチュエーションも慣れていましたので、袖に行くまでは普通にリラックスしていました。 

演奏中の方から3番目になりステージの袖に行き順番待ちをしていた時です。最初は落ち着いていたのですが、いきなり指が震えだしました。すべての指が数ミリから1センチくらいの幅で震え始めました。手が震えるというよりは、まさに指が震えていて、その振幅たるやこれまで未経験の世界です。手を振ったり軽く揉んでみたりしても震えは止まりません。次の次くらいで震え始めましたので、どうにも対策が取れないまま、さあ出番です。

ピアノの前に座っても震えが止まりません。ルーティーンで大きく深呼吸をして弾き始めても、ライトに照らされた白い鍵盤の上で指が大きく震えているのが目に入ります。ともかく震えが気になって全く演奏に集中できず、指はもつれ音は飛んでタッチもボロボロ、それはそれは大惨事になりました(笑)。この時の録音が残っているのですが、耳を覆いたくなる演奏で聴きたくありません。

 

レッスン仲間にその話をしたら、やはり「指がすごく震えますよね~」という意見が大多数を占めていました。それでも2回目、3回目と発表会を重ねるにつれて、だいぶ改善されていきました。プレゼンなどでも話し出しでは少し口元が震えたりしている経験はありますので、要は「緊張すると、これから使う体の部位が震えるものなんだ」と軽く解釈していました。

 

イップス プロには深刻な問題

よく考えると、この指の震えは「イップス」という症状に繋がるものなんですね。ゴルフでイップスは広く知られていますが、野球、テニス、卓球、バトミントンなどなどスポーツ全般に広くみられます。

イップス (yips) は、これまで心因性が原因ではないかと推測されてきたが、神経科学の発達により、過度な同一動作が原因であることが分かってきている。イップスは、スポーツの動作に支障をきたし、自分の思い通りのプレー(動き)や意識的な動作が出来なくなる症状のことである。本来はゴルフの分野で語られ始めた言葉だが、現在では、スポーツ全般でも使われるようになっている。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

スポーツの世界だけでなく、音楽の世界で楽器が弾けない、医療分野でのメスを握ると手が震える、その他字が書けない、理容師や美容師さんがはさみを使えないなどなど、イップスはさまざまな分野でその症状が確認されているようです。

 

ピアノのレッスンを続けプロを目指している音大生や、コンテストに出場するような方たちには大変な問題です。心療内科へ通っていろいろ薬を服用したり、本態性振戦(自分の意思に反して手が震えるなどの症状が出る)の薬を試したり、それはご苦労されている様子がWebサイトに掲載されています。

 

イップスの生みの親?であるトミーアーマーは全米プロ、全米オープン、全英オープンを制しながら1935年にトーナメントプロを引退し、レッスンプロへの転向を余儀なくされました。それはイップスによるものと言われています。その後彼は、レッスンプロとして人気を博し、クラブ製作者としても成功しています。 

 

ゴルフや野球では多くの選手が必ずイップスになり、皆なんとか克服していくようですが、ありがちな「誰でも必ず治る!」的な広告や、心理的ストレスの排除方法などの治療サイトもいろいろ出ています。やはり「怖さ」が原因のような気がします。ストレス耐性を上げて、精神的、心理的な問題を克服していくしかないのでしょうか。 

 

若い音楽家のイップスは、老後の趣味のピアノの発表会で指が震えるのとは次元が違う問題です。多くの皆さんがこの問題で悩まれているのかもしれませんが、克服された方も大勢いるようです。

みなさんがイップスを克服して、めざす道をまい進できることを願ってやみません。

  

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