交通弱者のためにどういうシステムを提供していけるかが重要な課題です。
ウェイモワン
Google系の米Waymo(ウェイモ)は2018年12月5日、米アリゾナ州フェニックスで自動運転タクシー「ウェイモワン」の商用サービスを開始しました。世界初の自動運転レベル4以上の自動運転タクシーの有料サービスです。安全のために運転席にサービスドライバーが同乗しています。利用対象者はWaymoの実証実験に参加した数百人の住民がライドシェアアプリを使って利用するとのことでした。
2019年10月に、このライドシェアサービスのメンバーに「次にWaymoを利用する時はサービスエンジニアは同乗していないかもしれない」というメールが送られ話題になりました。いよいよ完全自動運転の始まりでしょうか。
現在の「ウェイモワン」のサービスエリアはアリゾナ州フェニックスの郊外。Google Mapで見ると、フェニックスは道路が比較的碁盤の目のように整っています。またストリートビューで片道三車線の広い道路が確認できます。郊外がどのあたりかはわかりませんが、細々した道路が密集する地域よりは明らかに条件は良いのかもしれません。
アメリカではその広大な国土から、自動車を持たない人はまさに交通弱者となります。家から目的地へ、公共交通機関のバスの停留所や、アムトラックの駅までの自動運転タクシーはまさに交通弱者を救う手段になり得ます。ウェイモは英大手メーカのフィアットクライスラーと最大62,000台のクライスラーパシフィカハイブリッドの購入契約をしているそうで、ますますのサービス拡大も期待できるようです。
日本でも、日の丸交通+ZMP、日産+DeNAなどが実証実験を重ねて、実用化に向けて取り組んでいます。
自動運転バス
2019年10月16日に経済産業省と国土交通省は 、かねてから公募していた中型自動運転バスの自動運転実証実験を行う交通事業者として、応募13事業者から5事業者を選定しました。
- 茨城交通株式会社(茨城県日立市)
- 大津市、京阪バス株式会社(滋賀県大津市)
- 神奈川中央交通株式会社(神奈川県横浜市)
- 神姫バス株式会社(兵庫県三田市)
- 西日本鉄道株式会社(福岡県北九州市、苅田町)
お近くの方もいらっしゃると思います。
自動運転バスが実現できれば、例えば公共交通が十分でない過疎地のバスが、定められたルートを時刻表通りに運行するのではなく、Grabタクシーのように利用者の利用したい時間に、現在地と目的地に応じて運行する公共交通を実現できる可能性もあります。人口減少や高齢化が加速している日本国内の過疎地域では、公共交通機関の経営状況は厳しく、地方自治体の支援が必須です。自動運転技術の導入は、都会に比べて交通量が少ない過疎地域で、一定の走行ルートのバスであれば、比較的運行しやすい環境と言えると思います。現在、地方自治体も人件費をかなり抑えて運用していますので、コストメリットを出すことは厳しいかもしれません。
運転の権限や責任は乗車側ではなく、遠隔で監視・操作をする側にありますので、センターで複数台コントロール出来るような各地での実証実験をベースに、まずはしっかりと「運転手同乗無しでの安全性」を確保の上で、利便性の高い実用化に結び付けてほしいと思います。
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